Vol.6 メルシャンの椀子ヴィンヤードにて学ぶ

Vol.6 メルシャンの椀子ヴィンヤードにて学ぶ

メルシャンの斎藤浩さんにお話を聴く

日本の歴史あるメーカー、メルシャンよりシニア ヴィンヤード マネージャーの斎藤浩さんにお越しいただき、1、2限目は椀子(マリコ)ヴィンヤードができるまでの過程や、栽培を学びました。斎藤さんは、メルシャンの醸造を長く担当されてきた方です。

メルシャンの醸造所は長野にはありませんが、塩尻市に古くから 契約栽培している畑があり、そこで育ったぶどうから造られる「桔梗ヶ原メルロー」は日本を代表する1本です。
また、2003年には上田市丸子地区の椀子ヴィンヤードでも栽培を開始しました。こちらも今では国産ワインコンクールほか国外のワインコンクールなどで数々の賞を受賞する、専門家の評価も非常に高い、人気のワインです。

椀子ヴィンヤードへ

3限目の実習は、千曲川を挟んでアルカンヴィーニュのちょうど対岸にある、椀子ヴィンヤードに移動しておこないました。その畑の広さは21ヘクタールと広大で、ひとつの丘が見渡す限りぶどう畑!という圧巻の景色です。

ここで栽培されている主な品種は カべルネ・ソーヴィニョン / カべルネ・フラン / メルロー / シラー / シャルドネ / ソーヴィニョン・ブラン 。ほかにもいくつかの品種を試験栽培しています。おもしろいところではスペインの代表的品種テンプラニーリョ。国内では栽培が成功した例を聞いたことがないので、ぜひ長野の地で成功させてほしいですね。

さて、今回は何の実習をしたかというと、カべルネ・フランの「芽欠き」です。
芽欠きとは、成長してきた余分な芽を取り除く作業です。こうすることで、必要な部分に栄養をいきわたらせる効果があります。時季としては、萌芽した3〜4週間後に、樹勢を見ながらおこないます。

余分な芽を取り除く・・・とはいえ、取り除き過ぎるとぶどうの収穫量が減ってしまうし、成長過程のなかで風害や病気などでだめになるものもあるので予備として残しておく芽もあるなど、なかなか難しいですね。

いくつかの班に分かれヴィンヤードの栽培担当者の方に教わりながらやっていきました。なんとかできたかな。

芽かき前
芽かき後
著者

成澤篤人

シニアソムリエ
1976
年長野県坂城町出身。イタリアンレストラン「オステリア・ガット」ほか長野市内で3店舗を経営。NAGANO WINEを普及するための団体「NAGANO WINE応援団運営委員会」代表。故郷・坂城町にワイナリーをつくるため、2015年春からアルカンヴィーニュ内に設置された日本初の民間ワインアカデミー「千曲川ワインアカデミー」で第1期生として学びます。

日本ワイン農業研究所
アルカンヴィーニュ ARC-EN-VIGNE

ARC」は「アーチ(弧)」を意味し、人と人をワインで繋ぐという寓意を込めています。フランス語で虹のことを「アルカンシエルARC-EN-CIEL」(空にかかるアーチ)といいますが、その「空CIEL」を「ブドウVIGNE」に代えて、名づけられました。ブドウ栽培とワイン醸造に関する情報を集積する、地域のワイン農業を支えるワイナリーとして、また、気軽に試飲や見学ができ、ワインとワインづくりについて楽しく学び、語り合うことができる拠点です。

http://jw-arc.co.jp

2015年06月29日掲載