|追分屋旅館|
グラスワインも充実した
新感覚の温泉宿

|追分屋旅館|<br>グラスワインも充実した<br>新感覚の温泉宿

いにしえから温泉地として親しまれる信州松本・美ヶ原温泉に、NAGANO WINEをグラスで楽しめる旅館があります。
追分屋旅館ではワインサーバーを備え、8種類のグラスワインがワインカードを使用しセルフでいただけます(もちろん、食事の際にはサーブしてくれます)。
サーバーには抜栓後の劣化を防ぐ機能があり、量は、テイスティング、ハーフグラスワイン、通常グラスワインと3段階の中で好みの分量が選べます。
旅館に泊まってのんびりしながら、好きなときにいろいろなワインを飲み比べることができるのです。

追分屋旅館にはソムリエがいます。
3代目にあたる専務の花岡秀敏さんです。
ワイン好きな花岡さんは、お客様にもっと気軽にワインに親しんでいただきたいと、まだ飲食店でも一般的にはなっていないワインサーバーを導入しました。
旅館なので堅苦しい印象を与えないようにと、普段はソムリエの格好はしていません。
浴衣姿でくつろぐお客様たちは、花岡さんと雑談しながら、ワインにも手が伸びていきます。

「興味はあるけれど、ワインは敷居が高いと感じている方も少なくないので、その敷居を低くしたいですね。サーバーのワインに興味を示してくださるのは、30代、40代の若いお客様が多く、外国の方にも人気があります」

毎年、テーブルセッテイングのテーマを変えて趣向を凝らす。食前酒はオリジナルブレンドの山ブドウ酒
前菜(写真上)のあと、一品一品運ばれてくる料理。地元食材を活かし、盛りつけも美しい

ワインは塩尻を含めた地元・松本平のものが多く、カジュアルなものから、時にはKidoワイナリーやヴォータノワインなど希少なものも。
もちろん、ボトルならば、さらに花岡さん厳選のワインが揃っています。

追分屋自慢の料理は、地元食材を中心にした懐石風。
それをさらに楽しんでいただこうと、毎年テーマを定めて、テーブルセッティングに工夫を凝らしています。
前年のテーマはワインや葡萄にちなんだものでしたが、2016年は「美しき信濃の名城」。
NHK大河ドラマ「真田丸」の人気にあやかり、松本平らしい歴史浪漫として松本城を題材としたテーブルセッティングを行っています。

3つの露天風呂は、それそれの趣が異なり、肌触りのいい源泉が溢れる
足湯のある中庭を望む。ゆったりとした時間が流れていく

温泉は、入れ替え制で利用できる6つのお風呂と別邸の貸切風呂があります。
それぞれに趣が異なりますが、いずれも美ヶ原温泉の源泉100パーセントで満たされています。
なかでも「泡エステの湯」は、非常に細かな気泡を発生させて見た目は白濁。温泉と気泡の相乗効果が、保温・保湿・老廃物排出の効能を高め、美肌に良いと女性に人気です。

宿泊はリーズナブルな料金プランから特別室や露天風呂付き離れなどの上質なプランまで、お客様のニーズに合わせたプランを用意。食事と入浴を組み合わせた日帰り会食も人気があります。
また、ツアー会社と連携しており、宿からバスで出発できるオプショナルツアーもおすすめ。老舗温泉地にありながら、お客様本位の若い感覚が生かされている宿です。

 
花岡 秀敏さん

1980年松本市出身。大学卒業後、鬼怒川温泉の有名ホテルで勤務ののち、23歳で実家の追分屋旅館に戻る。「親の背中を見てきたので、旅館を継ぐのが当たり前と思って育ってきました」。専務として父を助けながら、ワインサーバーの導入や、毎年テーマを変えたテーブルセッティングなど工夫を凝らしている。ソムリエ資格取得。

住所

長野県松本市里山辺1145

電話番号

0263-33-3378

営業時間

IN15時 OUT10時
料金:1泊2食つき1名あたり1万1000円~
消費税別、入湯税150円別

アクセス

JR松本駅からバス20分

URL

https://www.oiwakeya.com/

取材・文/平尾朋子  写真/平松マキ
2016年05月20日掲載