|ラ・メゾン・グルマンディーズ|
ワインの里・塩尻で
地元食材のおいしさに驚く

|ラ・メゾン・グルマンディーズ|<br>ワインの里・塩尻で<br>地元食材のおいしさに驚く

長野県のワイン産地のなかでも、歴史が古く実力派のワイナリーが集まる桔梗ヶ原ワインバレー。その中心となる塩尻で、人気のフレンチの店がラ・メゾン・グルマンディーズです。ワイナリースタッフや地元の人々が集っていたトムズレストランが開業5年目の2015年10月、ラ・メゾン・グルマンディーズとして生まれ変わりました。カジュアルな店から、よりメニューをグレードアップ。塩尻プレミアムコースとして、信州牛や信州サーモンなども贅沢に取り入れたコース料理を設けています。

オーナーシェフの友森隆司さんは広島市出身。横浜、パリやアビニョンで修業したのち、縁あって長野県へ。松本の結婚式場で料理長を務めたあと、広島に戻るつもりが新店オープンを持ちかけられて塩尻へ。
「偶然に塩尻に来てみれば、ここの野菜はダントツ日本一。色々な土地の野菜を見てきましたが、質の高さ、種類の豊富さなど塩尻産はすばらしい。これを活かさない手はないので、こちらに腰を落ち着けることにしたんです」

塩尻産野菜のテリーヌ(手前)には、12~18種もの色鮮やかな野菜が閉じ込められている。スープにも地元野菜の持ち味が活かされて好評。写真は洗馬産ゴールドラッシュ(とうもろこし)のポタージュ

友森さんは、20種以上の野菜が揃えられないときは開店しないというほどのこだわりよう。どうしても地元で野菜が揃えられないときは中信地方のものも加え、冬はかぶ、白菜、松本一本ネギなどのほか、ごぼう、にんじん、大根など根菜を中心に揃えます。

「一度来てくださったお客様が、人を連れて来て食べさせたいと思うような、塩尻でしか作れないフレンチを目指しています」
2015年5月に、米国コーネル大学のテリー・アクリ教授が長野・山梨のワイン産地を視察したとき、桔梗ヶ原ワインバレーでワイナリーの幹部たちと会食したのが前身のトムズレストランでした。香りの研究の大家でもあるアクリー教授が、東京でのワイン報告会で真っ先に絶賛したのが、友森さんのアスパラガスのスープや野菜のテリーヌ。さほどに印象深い味わいだったのです。

もちろん、塩尻産のワインが揃う。塩尻産ワインのBYO(持ち込み)も歓迎

「地元の方は野菜がおいしいのは当り前過ぎて、その価値に気が付かないんです」。そこで、友森さんは地元の人々とともに、生産者と消費者を結びつけるマルシェを行ったり、料理教室や子どもへの食育などの活動を行っています。「塩尻の地に根を張り、食を通しての地域づくりや町おこしに貢献したい」と友森さんの志は広がります。

 
友森 隆司さん
とももりたかし

1978年広島市出身。京都の調理専門学校卒業。横浜のフレンチ店を経て渡仏し、パリ、アヴィニョンなどで修業。2008年から松本の結婚式場で料理長を務めたのち、2011年に塩尻へ。トムズレストランを開店し、のちに独立してオーナーシェフとなる。2015年10月、コース料理中心に五感で楽しむフレンチとして、ラ・メゾン・グルマンディーズを開業。塩尻の力強い野菜の味を引き出す技に定評がある。日本塩ソムリエ協会講師。

住所

塩尻市大門一番町8-2

営業時間

予約のみで営業

定休日

不定休

アクセス

塩尻駅から徒歩8分

URL

https://www.facebook.com/la.maison.gourmandise/

取材・文/平尾朋子  写真/平松マキ
2016年02月26日掲載